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  • 執筆者の写真近未来オステオインプラント学会

第13回 近未来オステオインプラント学会 学術大会・総会

更新日:2021年7月1日

開催日:2021年7月4日(日) 9:30~14:45 ZOOM Webinar

全国8支部の代表者が発表し、会員の投票で最優秀賞、優秀賞を決定いたします。

参加申込・お問合せ ipoi@ivy.ocn.ne.jp

参加費お振込口座 

銀行名:西日本シティ銀行 赤坂門支店(普)1709430

振込先名:特非)近未来オステオインプラント学会


参加予定の会員は【学術大会・総会参加者必読】Zoom入室ルールを事前に熟読するようお願い申し上げます。




発表抄録


9:40~10:00

       歯列不正を伴った睡眠時無呼吸症候群患者への咬合治療

          〜矯正およびインプラント治療の必要性〜

                              中国支部 川本 賀奈子


 睡眠障害の1つに睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome : SAS)がある。主な原因として「肥満・小顎・扁桃肥大」が挙げられ、診療で口腔内を扱う歯科医師が発見しやすく、医科との連携が取りやすい疾患と思われる。欧米人と比較しアジア人は非肥満の骨格的要因が原因となりうる割合が大きいためまず頭蓋顔面の骨格診断を行い①口腔内装置 ②歯科矯正 ③顎顔面手術から適切な治療法を選択する。

今回歯列不正を伴ったSAS患者に対し、矯正、インプラント治療を用い咬合の再構成を行った。歯列の拡大により口腔内容積が増え、舌のスペースが確保できたことで咽頭筋群の活動が調整されSASの改善につながった。

安定した長期経過を目指して、咬合の再構成と無呼吸の改善に取り組んだ一例について報告する。


10:00~10:20

当院のデジタル補綴への取り組み

東海支部 辻 将


 近年、歯科医学界においてもモノづくりとしてのデジタル化が進んできている。一昔前まで、補綴等、口腔内への応用を考えた場合、金属を鋳造して製作することが、精密性、形態付与、物性などの点においてそれを上回るものがなかった。しかしながら、ミリング技術やプリンティング技術の向上が材料の多様化をもたらし、口腔のメタルフリーへの道が開けた。 当院における一日平均来院患者数は180人を超え、インプラント埋入本数も年間150~250に上る。また、3shape社のトリオス4をはじめ、4社の光学スキャナー、3Dプリンター、ミリングマシンを導入した。それらにより、最新技術を取り入れデータを採取し、臨床に活かしていく環境が整っている。

 そこで今回、当院における光学スキャナー、ソフトウェア、3Dプリンター、ミリングマシンの使用に関していくつかご紹介させていただき、そのメリットを考察する。また、今後のデジタル化における我々の展望もお伝えしたい。


10:20~10:40



              福岡支部 溝上 宗久



 広範型重度慢性歯周炎に罹患した患者の口腔内では、歯の支持骨喪失や動揺、病的移動等が生じ、一歯単位から一口腔単位での予後判定が困難となるが、先ずは歯根膜を有する歯の保存を最優先に考え、歯周治療の体系を基盤とした総合歯科診療が必要となると考えている。さらに、インプラント治療を併用する場合、その咬合支持能力等の恩恵により保存可能となる歯が増加する一方、重度歯周病による高度な骨吸収を有する歯や顎堤における連結固定範囲や戦略的抜歯、硬・軟組織移植の必要性など多くの検討事項が存在する。また、クラニオフェイシャルグロースによるインプラント補綴装置と天然歯列との不調和等の問題点が近年取り沙汰されており、長期予後を見据えた補綴設計を行う上で重要な要素となる。

 そこで今回、広範型重度慢性歯周炎患者に対し、歯の保存を最優先とし、インプラントを用い包括的に治療を行なったケースを供覧させて頂きご指導ご鞭撻をお願いしたいと思います。


10:50~11:10

包括的治療にて咬合再構成を行った症例

大阪支部 鉄田 豊和


 Ⅰ目的 

顎口腔系の疾患は、多様な因子が関与し発症している。その疾患を包括的診断のもと歯周治療、歯内治療、補綴治療、インプラント治療、矯正治療など全ての技術を駆使して治療を行う事が重要と考える。本症例は、包括的治療を行い良好な結果を得たので報告する。

 Ⅱ症例概要

患者は32歳女性。咀嚼時に舌と左側歯牙の接触違和感及び咀嚼障害、歯列不正の改善を主訴に当院へ来院。口腔内所見は、上下顎左右第一大臼歯欠損に伴う歯列不正、上下歯列は切端咬合と交叉咬合も認めた。上記所見に対して、矯正治療とインプラント治療を用いて咬合再構成を行う事とした。初めに矯正治療を行い咬合関係の確立を行った後にインプラント治療・補綴治療を行った。治療後、口腔内に異常所見は認められず、患者は機能的・審美的に十分に満足している。

 Ⅲ結論 

主訴から包括的診断・治療を行う事で長期的な予後が期待できると考えている。この症例に関しては定期的な経過観察が必要であり、トラブルが生じれば早期に対処していきたい。


11:10~11:30

クレンチング習癖とブラキシズムのある患者にインプラントを用いて

咬合再構成を行った症例

 四国支部 山下 浩二


 安全で正確な位置へのインプラント埋入を行うためにはサージカルガイドの使用は不可欠である。当院では欠損歯数に関わらずインプラント治療においては必ずサージカルガイドを使用している。それにより手術時間の短縮にもつながり、結果的に患者の身体だけでなく精神面への負担も軽減できると考える。

今回その一例として、クレンチング習癖、ブラキシズムのある患者に対し、遊離端欠損部および臼歯部にサージカルガイドを用いたインプラント治療を行うことで安定した咬合支持を確立し、上顎前歯部の審美性も獲得した症例を報告したい。


11:30~11:50

睡眠時ブラキシズムの把握と制御の可能性

~ GrindCareⓇ を使用してみて~

鹿児島支部 園田 悟


緒言: インプラント治療において、予期せぬトラブルの原因として「力」の問題を疑うケースも少なくない。特にブラキシズムはその一因と考えられるが、個々の患者の実態を把握し、制御することは開業医にとって困難であった。今回、睡眠時ブラキシズム(以下SB)に対し、サンスターから発売予定のGrindCareⓇを用いてインプラント治療患者のSBの程度の把握とその制御方法について検討した。

対象および方法: インプラント治療を行った患者12名に対し、ブラキシズムの影響を口腔内診査で確認。SB発生回数は、GrindCareⓇを無刺激で用いて測定。咬合力はオクルーザーⓇを用いて計測。

結果: 口腔内所見でブラキシズムが疑われる多くの症例において、SB発生頻度が多かった。一部にSBより咬合力の影響が大きいと思われる症例もあった。

考察: GrindCareⓇを用いることで、SBの実態把握が可能となる。しかし、SBの顎口腔系への影響はSB発生回数だけではなく、1回あたりの持続時間と強さも影響していると考えられた。SBに対しては睡眠医学の観点からのアプローチも必要になるが、GrindCareⓇは電気刺激によりSBの発生回数を減らすだけでなく、持続時間を短縮するのでSBをコントロールする可能性がある。


12:00~12:20

長期的な口腔機能の回復を目指して

北海道支部 柳 智哉


 患者は61歳女性、主訴は入れ歯の隣の歯が動いているので診てほしいとの事でした。

既往歴として特記すべき事項はありませんでしたが、初診時口腔内所見としてすれ違い咬合を呈しており、歯周病、不良補綴物等の問題点を確認しました。

 患者の希望を抽出 ・出来る限り歯を残してほしい

  ・義歯の違和感から解放されたい(インプラントについて相談したい)

  ・歯が無い期間を作りたくない(職業が病院受付業務)

  ・出来るだけ短期間で行ってほしい(娘さんの結婚式)

  ・外科的な治療は問題ない

  ・治療費が大きくなる場合は家族と相談したい

 上記を踏まえ治療計画を立案、インプラントを用い口腔機能回復を行なった症例の5年経過報告を発表させて頂きます。


12:20~12:40

サージカルガイドを用いたインプラント埋入の臨床的考察 ~各種ステントの整理、比較~

沖縄支部 下所 由美子


 口腔インプラント治療において長期に良好な結果を得るには、確実な診査・診断、外科手術、補綴治療そしてメンテナンスが必要である。その中でもフィクスチャー埋入のポジショニングは、解剖学的に危険な部位を回避しつつ上部構造の適切な形態と咬合を与える為の重要ポイントである。しかし実際には口腔内という見えにくい部位で、常に患者の開口状態に対応しながら局所的な骨の状態を読み取る必要があり、不確定要素が多く、最も経験と技術が必要とされる。そのためインプラント治療そのものを大きく左右するといっても過言ではない。これを補う方法のひとつとして、3Dコンピュータシミュレーションを使用した診断と手術補助器具としてのガイデッドサージェーリーがあげられる。

 今回骨吸収の大きな下顎大臼歯部において、従来のステントを用いた施術とガイデッドサージェリーを使用した施術の2例を行った。手術の経過をふまえながら、それぞれの利点・欠点を検討し、ガイデットサージェリーの臨床的意義と用途に合わせた種類ごとの使用上の注意点について考察した。







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